データを武器に、AIとマーケティングで未来を創る
データを武器に、AIとマーケティングで未来を創る

投資を『作業』から『洞察』へ。Geminiのスケジュールアクションで構築する、私専用のAI投資アシスタント

投資家にとって、時間はもっとも希少な資源である。毎日のマーケットチェック、保有銘柄のニュース確認、そして決算発表の追跡。これらは重要な「作業」だが、それ自体が利益を生むわけではない。真に価値を生むのは、得られた情報を咀嚼し、次なる一手へと昇華させる「洞察」の時間だ。

2026年、AIは単なる「回答者」から、自律的に動く「エージェント」へと進化した。Google Geminiの「スケジュールアクション」は、その象徴的な機能といえる。本稿では、この機能を活用し、日々の株価モニタリングを完全に自動化、さらには高度な分析レポートへと変貌させる手法を詳説する。

Geminiの「スケジュールアクション」がもたらすパラダイムシフト

従来のAI活用は、ユーザーが問いかけ、AIが答える「一問一答形式」が主流であった。しかし、投資のように「継続的な監視」が必要な領域において、都度プロンプトを入力するのは非効率極まりない。

Geminiのスケジュールアクション(特定の日時に指定したタスクを自動実行する機能)の実装により、AIは「待ち」の姿勢から「攻め」の姿勢へと転換した。

  • 自律性: ユーザーが寝ている間、あるいは本業に集中している間に、AIが市場データを収集・分析する。
  • エコシステム連携: GoogleスプレッドシートやGmailとシームレスに繋がり、情報の収集から通知までを完結させる。私はGemini APPでプッシュ通知で受け取っている。

実践:AI投資アシスタントを構築する3つのステップ

私が実際に運用している、効率的なモニタリング・スキームを公開しよう。ポイントは「情報のフィルタリング」にある。

Step 1:データの構造化(Googleスプレッドシート連携)

まずは、ウォッチしている銘柄リストをGoogleスプレッドシートで管理する。Geminiは @Google Sheets 拡張機能を通じて、このシートにアクセスが可能だ。

  • **銘柄コード、取得単価、注目している指標(PERや配当利回り等)**を整理しておく。
  • AIが参照すべき「基準」を明確にすることが、精度の高いレポート作成の第一歩となる。

Step 2:プロンプトエンジニアリング

プロンプトエンジニアリングの重要性は言わなくても分かると思うので、調整した指示と満足までの回答までの繰り返しが必要。また、回答モードは「Pro」がよさそうです。

デイリー・モニタリング用プロンプト例:


@Google Sheets [スプレッドシート名] を参照し、リストにある各銘柄の当日終値を取得し、前日比±3%以上の変動があった銘柄を特定せよ。

特定された銘柄について、直近24時間以内のニュース、適時開示情報、SNSでの言及内容を要約し、変動の主因を特定せよ。

変動が『一時的な需給』によるものか、『ファンダメンタルズの変化』によるものか、お前の見解を述べよ。箇条書きのサマリー形式で報告せよ。

プロンプトを出すと、以下のような回答が返答される。

Step 3:スケジュールアクションの設定

Geminiの回答形式が理想な形でしたら、次は予約アクション作成のプロンプトで指示を出す。

このような分析をgeminiの予約アクションで、毎日18時に分析してください。

Geminiがアクション予約を作成完了すると、以下のような回答がでると完成。

「Personal DX」がもたらす意思決定の質の向上

DXの視点から見れば、この取り組みは「Personal DX(個人のデジタルトランスフォーメーション)」そのものである。

現代の意思決定において「データドリブン」が常識であるように、個人の投資判断もまた、感情を排したデータに基づかなければならない。AIにルーチンワークを委ねることで、投資家は以下のような、より高度な知的活動にリソースを割くことが可能になる。

  1. 長期戦略の策定: 日々の変動に一喜一憂せず、ポートフォリオの根本的な見直しに時間を使う。
  2. 非定型情報の収集: AIが得意とする数値データではなく、業界の肌感覚や人間関係から得られる「一次情報」の獲得に動く。
  3. クリティカル・シンキング: AIが提示した分析結果に対し、「なぜそうなったのか」「AIの見落としはないか」と問い直す。

知のリテラシー:AIとの共生における「守・破・離」

AIの回答と推奨アドバイスはしっかり考えて、売買アクションを行うが必要。AIを使いこなす上で避けて通れないのが、ハルシネーション(もっともらしい嘘)への対策だ。

  • 守: まずはAIが出力した数値のソースを必ず確認する「ダブルチェック」を徹底する。
  • 破: AIの要約能力を信頼しつつも、重要な局面では原文(適時開示情報や決算短信)に自らあたる。
  • 離: 最終的な「GO/NO GO」の判断は、常に自分で行う。責任をAIに転嫁した瞬間、個人投資家としての成長は止まる。

テクノロジーはあくまで「増幅器」であり、その核となる「知恵」は人間側に留めておくべきである。

最後にテクノロジーを「知恵」に変える者だけが生き残る

Geminiのスケジュールアクションを活用した株価モニタリングは、単なる時短術ではない。それは、膨大な情報の荒波を乗りこなし、自分にとって真に価値のある情報だけを抽出するための「知的な防波堤」を築く行為だ。

ツールに使われるのではなく、ツールを自らの思考の延長線上に配置する。この姿勢こそが、これからのAI時代におけるプロフェッショナルの条件である。