こんにちは!最近SEOの流入を調査したところで、Eコマースの検索結果の影響がやや大きい感じがしましたので、その感想と対策についてお話ししたいと思います。
1. 検索体験の変化とゼロクリックサーチの増加
生成AIが登場したことで、私たちの検索体験が大きく変わりました。具体的には、AIがユーザーの質問に直接答える「ゼロクリックサーチ」が増えている点です。これにより、ユーザーは検索結果ページをクリックせずに、AIが生成した要約や回答で満足するケースが多くなっています。従って、ユーザーは情報の収集は一旦終了したと思い、Eコーマスサイトへ商品リストや商品詳細で情報収集しなくなったようです。
これはかなりの影響を与えています。たとえば、Google GeminiのAIオーバービュー(AIO)によって、検索結果の上部がAI生成の回答で占められることが増え、自然検索結果の枠が減少しています。実際、AIOに掲載された結果のオーガニックCTR(クリック率)は約4%から1%未満に落ち込むというデータもあります。これが、従来型のオーガニックトラフィックの減少につながっていますね。
2. SEO戦略の本質的な変化
このような変化に適応するためには、SEO戦略自体も本質的に変わる必要があります。具体的には、従来のキーワード重視型から、ユーザーの「検索意図」に沿った質の高いコンテンツ作成へとシフトしています。生成AIは単なるキーワードの一致を追求するのではなく、ユーザーが真に知りたいことに応えるコンテンツを評価しています。
また、AIの膨大なデータ分析能力を活用することで、ユーザーの行動や検索トレンドを予測し、次の関連質問がサジェストされます。ユーザーが知りたいことがAIで完結できるようになっています。従って、Eコーマスサイトの検索結果のリストページへの流入影響が想定できます。
3. ECサイトへの具体的な影響と対策
メリット
ECサイトへも良い効果があると思います。例えば、商品説明文やカテゴリーページ、FAQなど、多量のコンテンツがAIに学習され、参照リンクとして表示される可能性が高くなります。また、生成AIを活用したコンテンツ生成・最適化できるようになります。これにより、膨大なSKUを抱えるECサイトでもSEO施策を効率化することが可能です。
さらに、AIは商品ごとにユニークでSEOに最適化された説明文を生成し、一貫したブランドトーンを保つことができます。これで重複コンテンツや品質低下のリスクを軽減しつつ、検索順位の向上が期待できます。商品レビューやQ&Aの自動生成も、ユーザー体験やコンバージョン率の向上に寄与しますね。
デメリット・リスク
一方で、デメリットも存在します。AIによる直接回答の増加は、商品情報や比較、レビューにすぐにアクセスされることを意味し、ECサイトへの流入が減少するリスクが高まります。また、AIに選ばれるページとそうでないページが生まれるため、特に「読まれやすい」構造や信頼性の強化が重要です。また、モール型のECサイトは異なる出品者が生成AIを活用し、同じ商品に説明文を作成することによって、重複コンテンツによる品質低下の懸念もあると思います。
ECサイトが取るべきSEO対策
ここで、ECサイトがAI時代において取るべき対策をいくつかご紹介します。
- AI可読性の向上: サイト構造やスキーママークアップを最適化して、AIが情報を正確に抽出できるようにしましょう。
- E-E-A-Tの強化: 専門性や権威性を高め、信頼できる情報源として認識されるよう、一次情報や独自性を強調します。
- 商品情報の充実と差別化: 単なるスペックや価格情報だけでなく、使い方やストーリーを持たせたユニークなリッチコンテンツを提供します。
- AI活用によるコンテンツ量産: 商品説明、メタデータ、ブログ記事などをAIで効率的に生成・更新し、大量の商品に対応しましょう。
- パーソナライズド体験の強化: ユーザーごとのレコメンド強化。
- AIショッピングアシスタントの対応と購入体験の再構築: せっかくサイトに訪問したユーザーを逃がさず、最適な商品がより簡単に見つけ、購入できる体験。楽天、アマゾン、メルカリ、Yahoo shoppingはすでにAIアシスタントをリリースしています。ただし、各社のアシスタントはまだパーソナライズアシスタントに至っていないようです。
まとめ
生成AIの台頭は、SEOを「単なる検索順位争い」から「AIに選ばれ、ユーザーに価値を届ける」戦略へと進化させています。ECサイトは、AI活用による効率化とAI時代に最適化された情報発信・構造化を両立させることが今後の生き残りと成長の鍵となりそうです。
関連参考URL
https://blog.google/products/search/generative-ai-google-search-may-2024